『下剋上算数 基礎編――偏差値40から55への道』はどんな本?
「やっているのに点が伸びない…」そんな焦りを抱えた時、我が家が頼りにしたのがこの一冊でした。
無理なく続けられて、でも点に直結する力はしっかり積み上がる。
母として隣で見ていても、学びの芯が太くなるのを感じた良書です。
ここから、特徴をやさしくお伝えします。
ねらいとコンセプト
入試算数の土台を「抜けのない基礎」と「すぐ使える解き方」で固めることが目的です。
つまずきやすい単元をスモールステップで並べ、正答までの道筋を迷わずたどれるよう設計されています。
対象とレベル感
偏差値40前後で伸び悩む時期にぴったりです。
基礎の取りこぼしを拾い直しながら、入試で出合う標準〜やや応用レベルへ自然に橋渡ししてくれます。
構成と扱う分野
数・計算、割合、比、速さ、図形、場合の数などの頻出分野を網羅し、例題→基本問題→類題の順に理解と定着を積む構成です。
復習の導線もわかりやすく、弱点が可視化しやすいのが魅力です。
使って感じたメリットと気をつけたい点
息子と取り組む中で、良かったところと注意したい点がはっきり見えてきました。
母目線の実感としてお伝えします。
メリット:解き方が「言葉」でつながる
式だけでなく考え方の順番が短い文章で示されるので、再現しやすいです。
自分の言葉で説明できるようになり、初見の問題でも落ち着いて攻められました。
メリット:負担が少ない分量設計
1回分が重すぎず、平日も続けやすい分量です。
「今日もここまでできた」が積み重なり、小さな成功体験が自信につながりました。
注意点:計算の基礎は並走で
考え方が整理されても、計算が不安定だと点になりません。
計算ドリルを並走させると、学んだ解法がそのまま得点に結びつきやすくなります。
≪計算問題の演習≫
計算問題の良問がでる順でまとまっている問題集「中学入試 でる順過去問 計算 合格への920問」がおすすめです!
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どんなお子さんに合う?合わない?
合う・合わないを最初に知っておくと、遠回りをせずに済みます。
性格や今の課題に照らして選んであげたいですね。
相性が良いタイプ
基礎は触れてきたのに点が安定しない、ケアレスミスが多い、途中式の整理が苦手…そんなタイプにぴったりです。
解法の道筋が整い、ミスが減りました。
もう一歩の工夫
途中式や図をていねいに書き出すだけで正答率が上がります。
タイムより正確さを優先し、慣れてきたら少しずつ速度を意識する順番が安心です。
別教材を先にすべきケース
四則計算や分数・小数の基本が大きく揺らいでいる場合は、まず計算の基礎固めを先に。
土台が整うと、本書の良さが一気に生きてきます。
効果的な使い方|偏差値40→55のペースメイク
同じ教材でも、使い方で伸び方は変わります。
我が家のやり方が、どなたかのヒントになればうれしいです。
1日の分量とサイクル
平日は例題〜基本を1セット、休日に類題で仕上げるリズムにしました。
3日で1単元を回し、7日後に軽く解き直して定着チェックをします。
間違い直しのコツ
その場で解き直さず、翌日または数日後に再挑戦します。
少し忘れた頃にもう一度解くと、本当に自分の力になっているかがわかります。
過去問とのつなぎ方
本書で道筋が見えた単元は、過去問の該当大問を1〜2題だけ追加します。
「同じ考え方で解けるか」を確かめると、本番の安心感が違います。
他教材との役割分担
一冊で全ては完結しません。
役割を分けて組み合わせると、ムダが減って伸びが安定します。
計算ドリルとの並走
毎日10分の計算練習を固定枠に入れます。
解法の理解×計算の精度がそろうと、模試の偏差値が素直に反映されるようになりました。
応用・思考系への橋渡し
基礎編を終えたら、思考力を要する問題集や過去問で「一段上の視点」を養います。
土台ができた後は、無理なくステップアップできます。
学習管理の小さな仕組み
間違えた問題に★をつけ、★が2つ以上のものだけ週末に再挑戦。
親子で可視化すると、復習が迷子になりません。
まとめ|「できた」を積み上げて55へ
偏差値を動かすのは、特別な才能ではなく、正しい順番での小さな積み重ねでした。
『下剋上算数 基礎編』はその道しるべになります。
今日の一問が、次の模試の一点につながるように、親子で無理なく歩いていきましょう。